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64 教育学文献学習ノート(38)-3中内敏夫『学力と評価の理論』(の一部)

 (国土社 1971.8.5刊行 2025.通読 2025. 10.18-25ノート作成)  「教育学文献学習ノート(38)」の一連のシリーズについて予告した(38)-1において私は、2025.5.25開催の教育科学研究会教育学部会における本田伊克報告の配付資料で列挙された諸文献の中で自分が所持しているものについては自分でも検討してみたいと述べたのですが、その際に「中内敏夫著作集や坂元忠芳氏の私家版論集など、残念ながら所持していないものもあります」と断り書きをしました。  本田報告配付資料では、最初に2023教科研研究活動方針が紹介されています。これについては新しいものなので、一連の諸文献を検討した後に取り上げたいと「(38)-1」に書きました。  本田氏は次に中内敏夫『「教室」をひらく―新・教育原論(著作集Ⅰ)』(藤原書店 1998)における学力検討・学力像明確化の意義に関する中内の主張を紹介していますが、私は同文献を所持しておらず、Amazon、ヤマノヰ書店も検索してみましたが、ヒットしなかったので「スルーします」と「(38)-1」に書きました。そして中内の文献の検討を飛ばして、その次に本田氏が紹介している勝田守一「学校の機能と教科づくり」(1960) について「(38)-1」を、続いて「(38)-2」で勝田守一「教育学とは何か」(1960頃) を検討しました。  しかしその後、「待てよ、中内の著作集は持っていないけれども単著は7編所持してるから、それらの中で本田氏が紹介された叙述を辿ることができるかもしれない」と思い直しました。  本田報告配付資料では、中内の主張について次のような紹介をしています。 【中内敏夫は、学力について検討し、目指すべき学力の像を明確にすることには次のような意義があるという2。  ●教師の実践の、あとからの批評ではなく、その実践の当面する困難を打開できる。  ●対応する部分を、子どもの精神社会、生理過程にもっている。  ●実現されたものとしての学力がつくりだす諸現象を、もらさず説明できる。  ●学力史(ひいては学校教育史)を整合的に説明し、さらにはその未来を予測できる。 】  上記註番号2の出典は、「中内敏夫(1998)『「教室」をひらく―新・教育原論(著作集Ⅰ)』、藤原書店、92-94頁...