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6 教育学文献学習ノート(23) 田中茂樹『子どもが幸せになることば』(ダイヤモンド社2019)

                                (2019.2.27刊行 2021.8.21-9.17通読 2021.9.17-21ノ-ト作成)  田中茂樹氏のプロフィールを本書奥付から転記します。 ==================== 1965年東京都生まれ。医師・臨床心理士。文学博士(心理学)。京都大学医学部卒業。共働きで4児を育てる父親。 信州大学医学部附属病院産婦人科での研修を経て、京都大学大学院文学研究科博士後期課程(心理学専攻)修了。2010年3月まで仁愛大学人間学部心理学科教授、同大学附属心理臨床センター主任。専門領域は、fMRIを用いた高次脳機能の研究および失語や健忘などの高次脳機能障害。 現在は、奈良県の佐保川診療所にて、プライマリ・ケア医として地域医療に従事。病院と大学の心理臨床センターで17年間、不登校や引きこもり、摂食障害やリストカットなど子どもの問題について親の相談を受け続けている。これまで5000回以上の面接を通して、子育ての悩みを解決に導いてきた。著書に『子どもを信じること』(大隅書店)、『認知科学の新展開4 イメージと認知』(共著・岩波書店)などがある。 ====================  田中氏は、2021.6.19に開催された第11回関西教育科学研究会6月集会(奈良教育大附小/zoom)で、「子育てにおける親の(大人の)成長について」と題して講演して下さいました。専門家としての知見と4人の男の子の親(うちと同じ!)の経験を踏まえて、とてもざっくばらんで楽しいお話でした。子育て真っ最中の頃に夫婦で聞きたい話でした。  その後本書を入手し、講演会から2ヵ月近いブランクがありましたが読み始めました。本の内容もとてもおもしろい! 紹介したいところがいっぱいなので、とにかくどんどん紹介していきたいと思います。各章の節のタイトルもとてもおもしろいので、引用がない節のタイトルも記載しておきます。 はじめに  「出来杉くん」と「ちびまる子」 第1章 0~3歳 子どもが世界と出会う時期  ①予防接種の注射をこわがっているとき……        言いがちなことば  「泣かずにがんばろうね」    信じることば     「痛かったね。よくがんばったね」  ②歯磨きをしないとき……        言いがちなことば  「歯を磨か

5 教育課程論研究室ホームページの復元・継続を断念。今後は、本ブログをアーカイブとしても使用していきます。

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 2018年度末に三重大学教育学部を退職するまで、約20年間にわたって研究室ホームページを三重大学のサーバ経由で公開していましたが、退職に伴いHPは閉鎖となりました。研究室HPには私のこれまでの研究活動に関する情報をいろいろ掲載していたので、退職後もできれば個人HPを開設して過去の研究室HPから必要な研究情報を載せ替えたいと考えていました。それでお値段的にお手頃そうな(^^;)AWS(Amazon Web Service)に約3年前の三重大在職最終年度中に加入したというその経緯は、 本ブログの投稿1(2021.8.9) 「ブログ解説の辞/自己紹介」 に書いたとおりです。  その後もAWSの初心者向けwebセミナーを受講するなど努力はしてみたのですが、自分が持っているhtmlファイル素材をどうやったらネット上に公開できるのかというほぼ唯一知りたい情報を掴むことが結局できないままでした。  そこで、これ以上時をおいてただAWSからの課金に応じ続けるのは意味がないとようやく決断し、本日AWSを退会しました。  旧研究室HPをリニューアルして再発足しようとしていた"幻"の「佐藤年明私設教育課程論研究室ホームページ」の内容は、以下の通りです。もちろんここにアクティブなHPの形態で提示することはできませんので、JPEG画像として3枚に分けて掲載しました。なるべく画像の枚数を減らすために、ページの構成からむだな空間を削り、文字のポイントも小さくしてあるので、公開したいとHPのイメージとは違っています。いろいろとリンクを張っていましたが、もちろんそれを活かすことはできません。  まあ、退職後やりたかったけれどできなかったことについての、単なる私個人の思い出に過ぎませんが(またこういう表示形式ではほとんど読者の皆様に内容を確認していただくことができないとは思いますが^^;)、自分の研究者としての歩みの一里塚ではあると思い、ここに残しておくことにしました。  旧研究室HPのトップページからリンクを張って公開していた研究情報のうち、研究論文と学会発表(の一部)については、すでに 本ブログの2「私の著書・論文リスト」 に掲載しました。さらにそのブログ投稿の中で青字で表示してある論文は、ネット上の「三重大学機関学術リポジトリ研究成果コレクション」にリンクを張ってありますの

4 教育学文献学習ノート(22)-2神代健彦編『民主主義の育てかた 現代の理論としての戦後教育学』(2021) 第7章 教育的価値論(神代健彦)

 (2021.7.10刊行 2021.8.20-27通読 2021.9.5-10ノ-ト作成 2022.3.14誤字訂正)  引き続き、順不同で失礼します。自分にとって関心が高い順に、というか、自分の研究領域・研究課題との関連が強いと判断させていただいた論文から取り上げていっています。最終的には全論文に対して何らかのコメントを述べたいと思っています。 神代健彦 第7章 教育的価値論-よい教育ってどんな教育?  はじめに  1 教育的価値とはなにか    1、経済でも、政治でもなく    2、「なにを・いかに・教えるか」のよさ  2 理論的な批判に応える-歴史・なかま・批評-    1、歴史的な概念としての教育的価値    2、教育的価値の自覚の条件  3 わたしたちの・現在の・教育的価値    1、ケアという教育的価値    2、自治という教育的価値     3、能力の承認と自己決定の相克-未決の教育的価値 はじめに                                                                           神代氏はまず『岩波哲学・思想事典』(1998)に拠って「価値」を【広い意味では<善いもの>ないし<善い>といわれる性質】(P.173)とする定義を紹介します。そしてこれにもとづいて「教育的価値」を【教育という営みにおいて、そのなかでも (以下2文字に傍点-佐藤註・Bloggerの書式では語句に付した傍点は表記されないため、このような注釈を付けています) よい(優れた)と呼ばれうる教育の実践、はたまたそれを支える制度が共通に持つ性質やその度合い】(P.173-174)と規定します。但し、「定義」とか「規定」という用語は私が勝手に使ったものであり、神代氏はそれぞれの概念の説明において【~だと言われます】、【というくらいの意味になるでしょう】という表現をしており、厳密に定義・規定するというよりも、取り敢えず学界で承認を得られるような説明の仕方に従って議論を始めましょう、というような柔らかいニュアンスを残しています。   ⇒T.Satou:私のように子どもの価値観とか価値判断について関心を持ちながらも、「価値」「価値観」について深く原理的に考察をしたことのない者にとってはこの最初の定義部分から

3 教育学文献学習ノート(22)-1 神代健彦編『民主主義の育てかた 現代の理論としての戦後教育学』(2021) はじめに(神代健彦)・第8章 民主教育論(中村(新井)清二)

 (2021.7.10刊行 2021.8.20-27通読 2021.8.29-9.3ノ-ト作成)  教育科学研究会の若手研究者として活躍されている神代健彦さんたちが世に問われた論集です。近いうちに読まねばと思いつつもいろいろ読まないといけないものがあるなあとちょっと積ん読状態になりかけていたのですが、2021.8.31にリモートで本書の合評会があると知り、どうせならそれまでに読んで合評会にも参加しようと思った次第。全271ページというかなりのボリュームなのですが、数日間で全ページ読破できました。重要な問題提起がそれぞれなされながらも、大変読みやすくわかりやすかったという印象。各章の論者が他章の論文を意識して相互に関連する部分には必ずリンクを張る叙述があります。きっと執筆過程でかなり綿密な読み合いがあったのではないかと推察します。  合評会で実際に何かを発言するかどうかはわかりませんが、合評会までには一応この「ノート(22)」を書き上げて、自分の考えをまとめておきたいと思います(実際に今回の投稿を仕上げたのは合評会から3日後の2021.9.3でした^^;)。  最初に各部・各章のタイトルと著者だけを紹介します。各章内の構成については、その章に言及するときに紹介します。 はじめに 第1部 「公」教育の理論-分断社会を超える  第1章 「国民の教育権」論-教育の公共性を編み直す(杉浦由香里)  第2章 「私事の組織化」論-教師の仕事にとって保護者とは?(大日方真史)  第3章 「地域と教育」論-コミュニティ・スクールは誰のために(三谷高史)  第4章 公害教育論-生存権・環境権からのアプローチ(古里貴士)  第5章 青年期教育論-「大人になること」をめぐる問い(南出吉祥) 第2部 価値論の復権-原理の問いを取り戻す  第6章 発達論-子どもを主体とした全面発達の追求(丸山啓史)  第7章 教育的価値論-よい教育ってどんな意味?(神代健彦)  第8章 民主教育論-身に付けるべき学力として(中村(新井)清二)  第9章 障害児教育論-「子どもに合わせる」教育のなりたち(河合隆平)  以下、「学習ノート」であることを口実に、自分の研究関心と近い論文から順不同に紹介・コメントさせていただこうと思うのですが、それでも私のあまりにも牽強付会なコメント表明に終わることを恐れますので、ま